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北海道新聞に弊社が掲載されました
2016.1.22
エゾシカ死骸微生物で分解 バイオトイレ応用処理省力化
バイオトイレ製造販売の正和電工は、おがくずに含まれる微生物の働きを利用してエゾシカの死骸を分解する処理装置を発売した。装置に入れただけで、死骸は1~2週間で骨だけになる。シカの食害が深刻化し、各地で駆除が行われる中、駆除後の処理を省力化できるという。 装置は高さ1.4メートル、幅7.2メートル、奥行き1.2メートルの箱型。150キロの大型の死骸もそのまま入れることができる。内部にスクリューがあり、おがくずをかき回して分解を促進する。
同社はおがくずに含まれる微生物を利用し、し尿を分解するバイオトイレを製造販売しており、3年前からシカの死骸処理に応用できないか、試験を行ってきた。死骸は微生物の働きで分解されたり、おがくずに吸着したりして最終的に骨だけになる。硬い骨の接触にも耐えられるようスクリューの強度を高めるなど改良を重ねた。
道の調査によると、2013年度の全道のエゾシカの駆除頭数は13万2千頭。このうち業者が食肉加工したのは2万1千頭にすぎず、残りの11万1千頭の大半はハンターが消費したか、市町村が廃棄物として処理した。
廃棄物として処理する場合、ハンターが解体の前処理を求められることがある。市町村も死骸を埋める場所の確保が必要になることがあり、装置を使うとこれらの作業が省けるという。道エゾシカ対策課も微生物による分解処理を「有効な方法」と評価する。
希望小売価格は税別で1,980万円で、正和電工は市町村などに販売していく考えだ。同社の橘井社長は「装置は初期投資はかかるが、駆除の手助けになるはず」と話す。