正和電工、海外企業に初出荷
正和電工が18日、中国の会社にバイオトイレ4台を出荷した。
橘井社長は「中国・上海の企業が半年前にバイオトイレの視察に訪れ、2ヵ月前に購入するとの連絡があった。海外の企業からの注文は初めて」と笑顔で語る。
同社はバイオトイレの製造販売を約20年前にスタートさせ、国内はもとより、発展途上の国々への販路拡大を目指してきた。ベトナムでは、世界遺産・ハロン湾で2013年から今年6月まで、外務省とジェトロによるバイオトイレを使った環境改善の委託事業を実施、高い実績を上げた。
ハロン湾は下水道が未整備のため、糞尿や生活用水による湾内の水質汚染が問題視されていた。この解決に正和電工が名乗りをあげ、外務省とジェトロから事業委託を受け、今年6月下旬に終了した。約5年間にわたる調査研究と普及実証を行い高い実績を得たことから、ベトナム政府が今後、集落など一定地域内での設置を求めてきているという。
現在、同社には国内外から工場視察が相次いでいる。海外からは特に水洗トイレに欠かせない水の供給が十分出来ない国からの視察が多い。
橘井社長は「中国はトイレへの関心が高い。習近平国家主席が観光業の発展に向け、きれいなトイレを整備する『トイレ革命』を推進するよう指示しており、今後はもっと整備が進む」と期待する。
今回、輸出された商品は「WM2-55型」。家庭用より大型で、比較的多くの利用者に対応できる。また、海外輸出には「FOB」というシステムを採用している。国内の製品積み込みまで、同社が責任を持つというシステムだ。「製品が相手に届くまでの責任となると、輸出に関する色々はん雑な手続きをパスしなければならず、万一納期が遅れた場合に賠償問題に発展するのを避けるため」と説明する。
橘井社長は、「この輸出が契機となり、海外の企業に向けた輸出が本格化することを期待している」と、初めての海外企業への輸出に手応えを感じている様子だ。