北海道の「SDGs取組事例集」に掲載
北海道総合政策部政策局がまとめて3月31日に発表した「SDGsの推進に向けた道内企業・団体の取組事例集」に、正和電工のバイオトイレの製造販売などの活動が掲載された。
SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された国際社会共通の目標である「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。単純に経済発展を目指したり、経済を犠牲にしてでも環境を守るべきと主張するのではなく、経済・社会・環境をめぐる幅広い課題の統合的な解決を目指すアプローチ。日本国内でも企業、団体、自治体などでSDGsの考え方に沿った活動が増えている。北海道はまだ認知度が高いとは言えないSDGsについて道民や道内の企業・団体の理解を深めるため、事例集を制作した。
掲載された道内の企業・団体は20者。㈱アレフ(びっくりドンキー)、岩田地崎建設㈱など有力企業も含まれている。旭川の企業・団体は正和電工のみ。
SDGsは「貧困をなくそう」「飢餓をゼロ」になど17項目の目標を掲げているが、その6番目が「安全な水とトイレを世界中に」。東旭川の工業団地にある正和電工が製造している、おがくずと微生物の力で糞尿を分解する「バイオトイレ」とコンセプトが合致する。
事例集はバイオトイレがSDGsの「安全な水とトイレを世界中に」のほか、「飢餓をゼロに」「住み続けられるまちづくりを」「つくる責任つかう責任」の各目標に沿った製品だと評価。同時にバイオトイレと組み合わせて使用する同社の製品、雑廃水浄化装置についても「安全な水とトイレを世界中に」に沿っていると評価する。
一般的な下水道処理システムが大規模な下水道管、処理施設を必要とし、建設・維持のコストも莫大であるのと対照的に、バイオトイレは簡単に設置でき、ランニングコストも安いのが特徴。SDGsという概念の世界的な広がりは、バイオトイレのコンセプトに世界が追い付いてきたことを示す動きと言えそうだ。
現在、正和電工ではジェトロ(日本貿易振興機構)に対して支援を要請している。今後はジェトロのバックアップを受けながら、中国、ベトナム、インドなどへの輸出に力を入れたい考え。これらの地域ではまだ外で用を足している人も多く、バイオトイレで持続可能な成長を後押しする。