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あさひかわ新聞に弊社が掲載されました 2017.11.21

アクア・フェスタ・イン東川「バイオトイレ」と「水を汚さない生活」講演会

 水をテーマにした「アクア・フェスタ・イン東川」が12日、東川町農業環境改善センターで行われた。アクアはラテン語で「水」を意味する。実行委員会の主催。
「天然水で毎日暮らせるまち東川。自然いっぱいの北海道にあって、この環境は東川だけ。水・山・この自然の恩恵を受ける私たちこそ、何か恩返しができたら、孫の孫の代まで、この環境を残してあげたい」(メンバーの一人・フリーアナウンサーの若松美帆子さん)との思いからスタートした、地元の主婦発のイベントだ。
 フェスタは二つの講演を中心に進行した。バイオトイレで知られる正和電工社長の橘井敏弘さんが「バイオトイレはなぜスゴい!」と題して、がんこ本舗(本店・神奈川県茅ヶ崎)代表の木村正宏さんが「ハッピー法則で楽チン生活術!」と題して話した。
 橘井さんは、オガクズで処理するバイオトイレを開発販売している。旭山動物園や富士山にバイオトイレを設置し、環境を汚さないトイレとして広く認知される。現在、ベトナムなどトイレ環境が整っていない東南アジア諸国に、水環境を改善するトイレとして普及しつつある。橘井さんは、水を使わずに糞尿を分解するバイオトイレが、世界の環境保全にとって欠かせないトイレであることを訴えた。
 木村さんは、世界から飢餓をなくしたいと、東京農業大学に入学。卒業後、企業に就職したが間もなく退社し、プロクライマーの道へ。その後、自然保護活動に取り組み、25年前にがんこ本舗を設立。水環境改善につながる生活用品の開発製造を行ってきた。洗剤に頼らない生活術を伝えるため全国を回っている。木村さんは、自分の生い立ちを語りながら、「山に登ると極力水を使わず、持ち帰るゴミを減らすことを考える。その中から、水や洗剤を使わないで、きれいにする方法を考え出した」と話した。
 会場に集まった50人の参加者が7、8班に分かれ、木村さんの指導のもと、皿に油性マジックで書いた絵や文字を消しゴムや水、重曹、アルコールなどを使って落とす実験の説明を聞き、木村さんが開発した水を汚さないで生分解する洗剤を使って、文字をきれいに消した。

 橘井さんと木村さんに講演を依頼したのは、実行委員会の中心メンバー・塩谷由美子さん(ココロムスビ菜園を営む)。
 塩谷さんは、橘井さんのバイオトイレを設置し、できるだけ水を汚さないよう、新聞紙や雑誌を使ったふき取りをしたり、木村さんが開発した洗剤を使う生活を送っている。
 チェルノブイリ原発事故が起こった時、塩谷さんは二十歳。以後、自然に寄り添い水を汚さない生活をし、八年前に東川に移住。自然農法で野菜を作って生活しているという。
「井戸水を使っている東川には上水道はありません。こんなまちは、他にありません。ですから、下水道にもきれいな水だけが流れるまちにしたい」と、水を汚さない生活を実践できる人の輪を広げる活動を続けている。
 今回は、「バイオトイレを初めて富士山に設置した橘井さんと、富士山八合目の神社の宮司をしている木村さんのお二人は、私の好きな富士山つながりです。影響力のあるお二人のお話を住民の方々に聞いていただき、その輪を少しでも広げたいと企画しました」と話した。