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日本経済新聞2024年1月24日(水曜日)に弊社が掲載されました 2024.1.26

無臭、災害時仮設トイレ 正和電工、ユニット開発へ

 バイオトイレ開発の正和電工(北海道旭川市)は災害時に水なしで使え、無臭状態が保てる仮設トイレユニットを開発する。大勢の被災者が過ごす避難所での利用を想定し、販売中のバイオトイレを組み合わせユニット内に個室4室を備える。橘井敏弘社長は「能登半島地震の被災地では水の確保や臭いが問題となった」と指摘する。

 男性用と女性用の仮設トイレユニットを鉄工所と開発中だ。女性社員などの意見を取り入れて女性用には暖房便座、手洗い器、鏡、警報ベル、発光ダイオード(LED)照明などを備える予定だ。

 ユニットは屋外に据え置いて使う。寸法は倉庫スペースを含めて女性用で横8㍍、縦2㍍、高さ2.5㍍程度になる見通し。10㌧トラックで運べる。

 バイオトイレは、電気で温めたおがくず内に生息する微生物がし尿(有機物)を分解する。使用済みのおがくずは有機肥料として使える。トイレ1台当たり1日100回程度の利用頻度であればトイレ内は無臭状態を保つことができ、おがくず交換は1年で3~4回ですむという。

 正和電工は1995年にバイオトイレの生産を始めた。これまで工事現場や公園、山小屋、一般家庭向けに約4000台を販売している。能登半島地震の被災地では、警備会社の優成サービス(神奈川県海老名市)がバイオトイレを搭載した福祉車両を派遣している。同車両は約10年前に作成し開発費は約2500万円という。

 開発を進める仮設トイレユニットについて橘井社長は「1000万円台になるように詳細を詰めている。非常食などと同様に『トイレの備蓄』を国や自治体に呼びかけていきたい」と話している。