漁船にバイオトイレを貝殻粉砕装置 開発・販売へ
おがくずだけでし尿処理が可能な「バイオトイレ」の製造販売を手掛ける正和電工㈱(旭川市、橘井敏弘社長、電話0166・39・7611)は、水を使わず無臭でメンテナンスが容易なメリットを生かし、漁港敷地内や船舶へのバイオトイレ設置を提案する。また資源の再利用を目指しホタテ貝殻の粉砕装置を開発。加工業者向けに今年から販売を開始した。
電気製品の卸売業として設立した同社は、1995年からバイオトイレの生産を開始。数々の商標・特許・意匠権を取得し、環境に優しい浄化技術が認められ、環境大臣彰など2018年11月時点で36表彰を受賞。19年には北海道北のブランド「金賞」にも輝いた。海外の引き合いも強くベトナムの観光船にも設置されている。
水を使わず、おがくずで分解・消滅し、トイレ室内は空気の流れとおがくず効果で無臭なのが特徴。毎年2~3回、おがくずを交換するだけ。使用後は有機肥料や土壌改良材として活用でき、SDGsにも貢献。災害時やイベントの仮設用、公園トイレ型のログタイプ、介護用やバリアフリーにも対応している。
橘井社長は「漁港敷地内での利用はもとより小型漁船にも設置できる」と提案する。家庭用は生活排水を浄化する新浄化装置を併用することで、公共下水道不要の浄化システムが確立でき「水環境は確実に向上する」と強調。また「おがくず需要が拡大すれば間伐材にも注目が集まり育林事業に発展する」と説明。森林土壌(腐葉土層)が増え河川から流れ出る栄養分によって豊かな海を育む基盤づくりにつながることも期待する。
一方、ホタテ加工業者向けに開発したのが手軽で簡単な「ホタテ貝殻粉砕装置」。寸法は幅1.3㍍、奥行き74㌢、高さ1.17㍍、重さ450㌔。1回に15㌔の貝殻を5分間で2~10㍃に粉砕可能。「海岸線沿いに山積みされた貝殻は、農業肥料やコンクリート骨材などに再資源化できる」と強調。今年から販売を開始している。