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日刊・県民福井に弊社が掲載されました
2018.4.22
おがくず、微生物の力で有害鳥獣死骸を分解処理
大野市や九頭竜森林組合、地元猟友会などでつくる市鳥獣害対策協議会が、イノシシなどの死骸をおがくずに付着する微生物の力で分解処理する装置を導入した。市などによると、おがくずを使った有害鳥獣の死骸分解装置は国内初。捕獲数増加により死骸の解体や運搬の負担が大きくなっており、駆除関係者の作業軽減が期待される。
装置は同市木本にある同組合の空き工場に2台を導入。横7.2メートル、縦1.2メートル、高さ1.4メートルの鋼鉄製で、内部が発酵槽になっている。おがくずを入れて加水し、死骸をそのまま投入。ヒーターで内部を約60度に保ち、かくはんすることで微生物が死骸を急速に分解する。体重45キロのイノシシなら、6日で骨だけになるという。
中日本高速道路グループの「中日ハイウェイ・エンジニアリング名古屋」がサービスエリアのペット専用施設などに導入しているバイオトイレの技術を応用し、北海道のバイオトイレメーカーが製造した。事業費は約54百万円。
イノシシ専用と、シカやカワウ、カラスなど向けに分けて運用し、イノシシは年間400頭の処理を見込んでいる。おがくずは森林組合が提供する。
市内ではイノシシの捕獲数が2012年度の103頭から毎年、100頭前後で推移していたが、17年度は239頭と急増。死骸は廃棄物処理施設「ビュークリーンおくえつ」(南新在家)の動物用搬入口に持ち込んでいるが、体が大きいと解体しなければならず、駆除関係者から負担減を求める声が上がっていた。
20日は現地で施設の稼働式が行われ、協議会の黒田宗雲会長や岡田高大市長ら関係者約40人が出席。岡田市長は「捕獲頭数が増える中で死骸の後処理は大変。負担軽減に貢献してもらえれば」と期待を寄せた。