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北海道経済19年8月号に弊社が掲載されました 2019.7.12

バイオトイレがふるさと納税返礼品に インド企業が視察

 正和電工のバイオトイレに内外で注目が集まっている。 旭川市がふるさと納税の返礼品に指定したのに続き、インドからは有力企業の経営者が視察に訪れた。 環境保護の機運の高まりを追い風に普及に弾みがつきそうだ。

 バイオトイレはおがくずや微生物の力でし尿を分解する性能を備えたトイレ。水洗トイレのような大規模な下水道施設や処理施設を必要としないのが最大の特徴だ。
 そのバイオトイレのうち、段ボールや「プラ段」(プラスチック製の段ボール)を使った簡易型がこのほど旭川市のふるさと納税返礼品に指定された。 ふるさと納税については、当初の趣旨に立ち返って納付先自治体との結びつきが強いものに返礼品を限定するよう政府が指導しているが、製造工場や協力工場の多くが東旭川の工業団地内にあるバイオトイレは「地元の特産品」の一つだ。
 簡易型のバイオトイレは3万円台と比較的安価で、分解を促進するために必要なかくはんをスコップで行うため、電力も不要。 主に災害時に停電・断水した避難先で使用することを想定しており、すでに東京などから備蓄用に注文が寄せられている。 プライバシーを守るパーティション(衝立)も用意されている。
 全国各地、海外から視察に訪れる企業などの関係者も多い。 6月の視察は21日までで道内のほか東京、埼玉、神奈川、そして台湾などから合計26件に達した。
 大型商談につながりそうなのがインドからの引き合い。 4月に橘井社長らがインドを視察したのに続いて、6月20日からインドのゴアに本拠を置くコンクリート関連企業、アルコン社のコウント会長ら5人が、仲介した日本の商社の関係者とともに正和電工を訪れた。
 資産家のコウント会長はし尿処理、農業、生ごみ対策などを通じてインド社会に貢献したいと考えており、大規模なインフラ整備の困難なインド農村部でのバイオトイレ導入に関心を寄せている。
 バイオトイレの優れた分解能力を活かして開発されたのが、駆除エゾシカが農業や林業に被害を与えていることから、全道的な規模で駆除が行われているものの、シカ肉の処理施設や需要が十分でないため、その処理が問題となっている。 エゾシカ分解処理装置は丸ごとエゾシカを投入してから2週間後には骨だけにすることができ、道内の自治体などが注目している。従来のCK600型に続いて、小規模で導入が可能なCK330型も開発中。
 正和電工がこの装置が農林水産省の「鳥獣被害防止総合対策交付金」の対象になるかどうか問い合わせたところ、農水省からは焼却・減容化に役立つことから対象になるとの回答があった。