有機物リサイクルシステムで持続可能な社会を
正和電工株式会社
自然の力で分解できない大量の糞尿は土壌汚染、そして環境破壊へとつながります。正和電工のバイオトイレシリーズはこうした問題の解決に取り組みます。 バイオトイレBio-Luxイメージ バイオトイレBio-Lux国土交通省認定・新技術NETIS No.HK040017-A
   
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避難所用 個人向けトイレ

旭川の正和電工、春にも発売

北海道新聞 2013年12月15日

小用専用 バイオ処理、汚水出さず
 バイオトイレ製造販売の正和電工は、災害時の避難場所で使えるよう開発した個人向けトイレ「マイバイオトイレ」を来春にも発売する。小用専用で電気を使わないのが特徴。自治体などに売り込む。東日本大震災で避難所生活を送った人がトイレに苦労したという話を聞き、製作に取り組んできた。同社のバイオトイレは、おがくずに尿を染みこませ、電動スクリューでかき混ぜ加熱することで水分を蒸発させる仕組み。汚水が出ず、おがくずは肥料などとして使えるので環境汚染の心配がない。新たに開発したマイバイオトイレには電動スクリューがなく、おがくずをスコップでかき混ぜる。そのため、既存製品の場合には年2,3回で済んだおがくず交換を、2週間ほどで行う必要がある。ただ、交換が必要になる前に事態は落ち着き、日常生活に戻れるケースが多いと同社はみている。椅子型の男女共用と男性用の2種類ある。いずれも2層になった段ボールを組み立てて、その中におがくずが入ったビニール袋を装着する。ふたは木製。 価格は3万円前後で、目隠し用のついたても別売りで用意する。
 橘井敏弘社長は「避難生活でトイレを我慢するのは大変なストレス。それを少しでも和らげたい」と話す。

避難所向けバイオトイレ

個人スペースに設置

日本経済新聞 2013年11月6日

 正和電工は災害時の避難所向け「バイオマストイレ」の試作機を開発した。おがくずと微生物の力で臭わずに処理。一般のトイレと同サイズで、ダンボールなどで組み立て利用できる。個人スペースに各自が置いて使うことを想定。来春までに開発し、自治体などに販売する計画だ。
 マイバイオトイレは本体部分を二重ダンボールで3層に組み立てる。0.08m3のおがくずを入れて分解、脱臭処理し水分を蒸発穴から出す。蓋と座る部分は木製で、男女共用型は横38cm・幅62cm・高さ43 cm。
 使用後はスコップでおがくずを混ぜる。「試作段階で130回、2週間程度継続利用できる」という。性能など最終確認し、特許を出願したうえで、自治体の備蓄用などに約3万円で売り出す。男性用やトイレを隠すついたても合わせて販売する。
 避難所では屋内外に設置したトイレの夜間利用や臭いが問題となる例が多いという。マイバイオトイレは就寝者などに気兼ねせずに個人利用できる。臭いの発生もなく避難所の環境改善にもつながる。

旭川企業海外へ積極策

人口減社会見据え行政と連携 環境改善にも貢献

読売新聞 2013年10月31日

 旭川企業の海外展開が広がりをみせている。背景には少子高齢化の進展で地元や国内市場の縮小が避けられない現実があり、現在、34万人超の旭川市の人口は厚生労働省の推計によると2030年には30万人割れとなる。いろいろな業態の企業が経済成長の著しいアジアを中心に進出を強めている。

 旭川青年会議所は27日、市内のホテルで「旭川経済の復活へ!アジアの成長を取り込め!」を演題にフォーラムを開いた。基調講演した大武健一郎・元国税庁長官は「人口減社会では明らかに(市場が縮小するという)先が見えている。食文化など日本の良さを外へ売り出すべきだ」と強調した。
 こうした主張を先取りするように、旭川ラーメンの老舗「梅光軒」は2007年にシンガポールに出店して海外進出を果たし、昨年8月には香港にも店舗を構え、今年6月には台湾に2店目を出した。日本貿易振興機構(ジェトロ)旭川相談窓口では「飲食店が海外進出すると、食材として使われる野菜など一次産品の輸出も可能になる。民間だけでは難しい局面もあり、行政と連携して支援を強めたい」としている。
 飲食業以外の旭川企業にも海外を目指す動きが出てきた。水を使わずにし尿処理できる「バイオトイレ」をベトナムに今月、輸出したのは、バイオトイレ開発・販売会社「正和電工」だ。
 バイオトイレはおがくずに含まれた微生物が、し尿を分解するため、河川に汚水を流さずに済む。ベトナム・ハロン湾の環境改善を目指す外務省の「政府開発援助(ODA) 海外協カ事業」の一環で輸出が行われた。同社によると、ベトナムでは95%の排水が処理されないまま川に流されているといい、世界自然遺産のハロン湾への環境悪化が懸念されている。橘井社長は「ベトナムの水質改善に貢献し、業容も拡大したい」と、意欲をみせる。
 地場産業の旭川家具をリードする「カンディハウス」は、旭川企業の海外展開の先駆的存在でもある。米サンフランシスコに1984年に現地法人を開設、2005年にはドイツにも現地法人を新設し、今年は台湾などに販売拠点を設けた。成功例が身近にある点が、旭川企業の海外展開への心理的ハードルを下げているとの見方がある。

旭川の企業、ベトナムへ ハロン湾浄化に挑む

「成果上げ、役立ちたい」

毎日新聞 2013年10月29日

 排せつ物をおがくずにかき混ぜ、微生物の力で分解処理するバイオトイレを製造・販売する正和電工が、し尿や生活排水による水質汚濁が深刻化しているベトナム北部の世界自然遺産、ハロン湾の水環境改善に挑む。10月下旬からバイオトイレと木炭などを活用して浄水する排水処理システムを現地に設置し、実証調査を進める。

 建設コンサルタント会社、長大との合同事業で、政府開発援助(ODA)による途上国の支援に国内の中小企業の優れた技術や製品を活用し、企業の海外進出も進める事業の一環として、外務省に費用約5000万円が認められた。
 正和電工のバイオトイレは、水を使わないため汚水による環境汚染の心配がない。富士山や、南極の昭和基地などで導入されたほか、海外7カ国にも出荷されている。
 ベトナムでのシステムは、沈殿槽で固形物を取り除いた後、ろ過槽の木炭や砂利、軽石によって生活排水を浄化する装置とバイオトイレを組み合わせた。下水道が未整備でも低コストで水質浄化を図ることができる点が評価された。
 10月21日に現地に設置する機材を出荷。ハロン湾周辺の一般家庭や学校、船着き場などにバイオトイレや新浄水システムを設置し、水環境の改善状況を2014年2月まで調べる。
 橘井社長は11月上旬に現地入りし、設置場所を選定するほか、このシステムによる下水道不要の住環境をPRする予定。橘井社長は「日本の中小企業の技術で国際貢献できるのは素晴らしいこと。
 成果を上げて水環境の改善や循環型社会の確立など地球規模での問題解決に向け役に立ちたい」と意気込んでいる。

富士山5合目にバイオトイレ

小林製薬が寄贈

朝日新聞デジタル 2013年10月26日

 富士山の富士宮口5合目がある富士宮市に10月25日、日用品・医薬品製造販売の小林製薬から正和電工のバイオトイレが寄贈された。
 小林製薬は2009年から、世界遺産のある場所での環境保全やトイレ不足の解消などを目的にトイレ寄贈を続けている。屋久島、知床、白神山地、石見銀山と続け今回の寄贈が5ヶ所目。
 微生物を使って排泄物を分解させる仕組みのバイオトイレは、臭いが出ないことなどが特徴。1日に約150人分の排泄物の処理が可能という。
 今回寄贈されたのは、ログハウス風で幅3メートル、奥行き2メートル、高さが2.7メートルの簡易型。中に大小の便器が備わっており、5合目のバス駐車場に設置された。工事費などを含め総額約600万円で、維持管理費も一部、将来にわたり小林製薬が負担するという。
 5合目までの「富士山スカイライン」登山区間が閉鎖される冬季は雪に埋まらないように山から下ろし、来夏の登山シーズンに再び本格設置する予定。

正和電工、ハロン湾にバイオトイレ出荷

世界遺産の水質改善で実証実験

The Daily NNA ベトナム版 2013年10月23日

 正和電工が北部クアンニン省の景勝地ハロン湾で水質改善に向けた実証実験に乗り出す。独自開発したバイオトイレと浄化装置の各7台を21日に出荷。現地の一般家庭などに設置して有効性などを検証する。得られたデータを活用し、ベトナムでの製造や販売につなげたい考えだ。

 世界遺産にも登録されているハロン湾は生活排水などによる水質汚濁が深刻で、水環境の改善が喫緊の課題となっている。正和電工は長大とともに提案していた外務省の「政府開発援助(ODA)海外経済協力事業」 に採択。バイオトイレと浄化装置を組み合わせた浄化システムを●船着き場●一般家庭●学校に設置し、来年2月まで水質改善の実証実験をする。地場企業を指導しながら取り付け工事を完了後、12月2日の正式稼働を見込む。期間中は住民説明会を開催し、実験終了後は現地で成果報告会を催す予定だ。

循環型社会の実現ヘ
 トイレのし尿とその他の生活雑排水を分けて浄化すれば、コストを抑えて環境負荷を軽減できる一。正和電工の橘井社長はバイオトイレと浄化装置を組み合わせた浄化システムの有効性についてこのように強調する。バイオトイレはおがくずに含まれる微生物の力でし尿を分解。水を使わないために水質汚染の心配がいらない。また、浄化装置では、台所や風呂、洗濯から出る雑排水を処理。沈殿槽で図形物を取り除いた上で、備長炭や砂利、軽石によりきれいにする仕組みだ。
 橘井社長は「イニシャルコストはあるが、ランニングコストはかからないシステムで、メンテナンスも簡単。おがくずも備長炭もベトナムで調達できるため、循環型社会の育成に貢献できる」と胸を張る。実験結果を踏まえて事業化が可能と判断すれば、現地法人を立ち上げてバイオトイレや浄化装置の生産を始める計画で、地場企業と連携しながら向こう3〜5 年内に製品の製造、販売、メンテナンス体制を構築したいとしている。
 正和電工は1974年設立で、資本金は5,000万円。従業員数は約10人。バイオトイレは日本国内で富士山や旭山動物園などの観光地のほか、公園や河川敷、工事現場、一般家庭などで活用されており、最近では東日本大震災を契機に水を使わないトイレとして注目を浴びた。海外ではロシア・サハリンやパプアニューギニアなどで導入実績があるという。

バイオトイレ ベトナムに出荷

水質改善に貢献 来月から効果調査

北海道新聞 2013年10月22日

 バイオトレ製造販売の正和電工は21日、自開発したバイオトイレと生活排水用の新浄化システムの各7台を、ベトナムの世界自然産ハロン湾の水環境改善事業に使用するため、現地に出荷した。
 外務省の「政府開援助(ODA)海外経済協力事業」の一環。ハロン湾は、し尿や生 活排水による水質汚濁が問題になっている。バイオトイレはおがずに含まれる微生物の力で排せつ物を分解するもので、新浄化シテムとともに現地の学校や一般家庭などに設置し、11月から来年2月まで水質改善の効果などを調べる。
 この日、同社ではバイオトイレなどを1台ずつクレーンでつり上げ、トレーラーに移して苫小牧港に搬送した。フェリーで東京まで運び、28日にはベトナムに到着する予定だ。
 同社の橘井社長は「日本の技術が世界で活用されることは素晴らしい。ベトナムの 役に立つよう頑張りたい」と話した。

ハロン湾の水質向上事業案件化調査など

正和電工に相次ぐ国の後押し

メディア旭川 2013年10月号

 旭川のものづくり産業をリードする一社、バイオトイレの正和電工の開発装置がこのほど相次いで海外経済協力事業の案件化調査や試作化の認定を受けるなど、ガゼン忙しくなっている。一つはベトナムの世界自然遺産「ハロン湾」の水質向上、もう一つが駆除エゾシカの分解処理という、いずれも社会貢献度の高い開発に対する国レベルの後押しだけに、橘井社長はじめ社員も大いに気合が入っている。

ODA(政府開発援助)技術協力プロジェクトで
 「ハロン湾」の浄化作戦は、経済活動の活発化に伴い、生活雑排水などによる水質の悪化が深刻化していることから、外務省国際協力局開発協力総括課が進めている事業で、今回「集めない・混ぜない・分離する“分散型排水処理システム”を活用した水環境改善案件化調査」として認定された(8月8日付)。
 外務省ODAでは、2010年から技術協力プロジェクトとして「ハロン湾環境保全プロジェクト」を実施しているが、これが13年度前半で終了することから、これらのフォローアッププロジェクトとして「水環境及び衛生環境改善調査である本調査は非常に有効であり、外務省が掲げる援助方針にも合致する」とされた。
 平たくいえば、この案件を政府開発援助海外経済協力事業として採用するのがふさわしいかどうかを決定するための各種データを集める調査で、提案者は排水処理システムを開発した正和電工と、40年以上の総合コンサルタントとしての実績を持つ、建設コンサルタントの(株)長大(本社・東京都中央区)の2社。
 上限5000万円の調査費が見込まれている。

「分散型排水処理システム」提案
 今回提案したODA案件に活用予定の製品・技術は「新しいサニテーションモデル(分散型排水処理システム)」。し尿処理は同社の誇る「バイオトイレ」で行い、生活雑排水については一昨年新たに開発した「新浄化システム」によって対応し、これらの合わせ技で水環境の浄化を図るというわけだ。
 オガクズなどに含まれる好気性微生物を活性化させてし尿を分解し、最終的に再利用可能なコンポストを生み出すという「バイオトイレ」については、すでに多くによく知られ、あらためてそれ以上の説明は不要と思われるので、ここでは「新浄化システム」だけを少し説明しておくと、次の通り。
 このシステムは、沈殿槽と5つのろ過槽を繋げた装置で、沈殿槽で固形物を取り除き、ろ過槽に組み込んだ木炭や砂利、軽石で汚水を浄化。し尿と生活雑排水を分離して処理するため、浄化システムでは大腸菌除去対策が不要になり、またし尿に起因する窒素、リンは微生物の働きがあるため特別な除去対策の必要がなく、BOD値(生物化学的酸素要求量)についても10r/L以下に低減できる。
 このシステムの一番の特徴は、バイオトイレの微生物や浄化システムの木炭、軽石はじめ、”自然の力“を最大限活用し、システム自体もシンプルなローテクで構成されていることで、高度な技術の蓄積がない途上国にはむしろ理解が早いという。

調査期間は来年3月までの半年間
 調査チームの構成は、両者の担当者に大学の教授らを含めた総勢11人になる予定で、調査期間は今年10月から来年3月までの6ヵ月間。
 情報・資料等の収集及び関係機関との協議を経て、調査の基本方針を固め、既存インフラに関する調査(住民説明会など)と環境・社会面に関する調査(現地調査など)、さらにリスク分析及び当事者間のリスク分担の明確化を行った上で、パイロット試験を行うことになるという。
 具体的には、財務分析によって最適な資金調達ストラクチャーを構築する一方、実際に新都市地域への導入を行い、技術検証を含めた分散型廃水処理システムの実施導入などに対する環境教育及ぴ啓蒙活動、さらに日本と違う気候風土における堆肥化に関する技術的検証などがその内容だ。
 こうした調査の結果を踏まえ、ハロン湾地区での事業の実現可能性を確認することになるが、「ODAの任務の一つに、日本の進んだ技術を海外に紹介するということがあると聞いている。国内バイオトイレメーカーのトップメーカーとして、そのことも非常に名誉なことと考えている」と橘井社長。
 正和電工の「分散型排水処理システム」は、今大きく世界に羽ばたこうとしている。

エゾシカの分解処理装置試作へ
 もう一つの「駆除エゾシカの分解処理」については、中小企業庁の「平24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業」に採択され(8月30日付)、開発と試作が認められた。
 この事業は、「ものづり産業の底上げを図るとともに即効性の喚起と好循環を促し、経済活性化を促す」という観点から2次にわたって公募され、応募総数1万1926件の中から5612件を採択。このうち、道内企業の採択は1次71件、2次105 件の計176 件だったという。
 「駆除エゾシカの分解処理」装置の開発は、増え続けるエゾシカによる農林業被害対策として、道が乗り出している駆除の際、課題として残っている駆除後の埋設作業などの重労働等が伴う死体処理をどう改善するかという問題意識からスタートしたもので、同社が誇るバイオトイレの技術が使われている。
 これまで、酪農学園大学との連携による実証実験で、既存の装置でもほぼ完全に分解処理できることが確認されているが、今回は1000万円の補助金交付を受け、従来の装置を進化させる形で移動可能な「分解処理装置」の開発と試作を目指すという。
 この装置は、本州でのイノシシやサルなどの駆除後処理に対応が可能で、すでに自治体などからの問い合わせも多いという。一日も早い試作品の完成が待ち望まれる。

バイオトイレ ベトナムで導入に向けた調査

外務省が採択 世界遺産で貢献

北海道経済 2013年10月号

 正和電工が開発したバイオトイレと新浄化システムについて、世界遺産に登録されたベトナム・ハロン湾での導入に向けた調査を、外務省が政府開発援助海外経済協力の事業とするべく、案件化調査として採択した。調査の結果次第で、本格的な導入につながる可能性もある。
 この調査の期間は今年10月から来年2月までの5ヵ月間。旭川から東京の商社を通じて現地に機器を持ち込み、徴生物適用性、コンポスト化、保守・修理の体制などを調査する。正和電工の橘井社長や商社関係者、明星大学やお茶の水女子大学の教授ら11人からなる調査団が評価を行い、報告をまとめる。調査費の上限は5000万円。
 東南アジア諸国では経済発展とともに下水処理施設の不足が問題となっているが、設置が容易で大規模なインフラを必要としたいバイオトイレや新浄化システムへの注目も集まっている。正和電工では今回の調査を通じて、本格的な普及に向けて問題を洗いだす方針。大量導入に向けて生産コストの安い現地での生産も検討する必要がありそうだ。

地球規模の貢献を視野に

富士山や南極でも稼動 バイオトイレ

毎日新聞 2013年8月22日

 排せつ物をおがくずにかき混ぜ、微生物の力で分解処理するバイオトイレ。水を使わず、使用後のおがくずは肥料になる。東日本大震災を機に断水時でも清潔に使える点が注目され、旭川市にある「正和電工」への問い合わせは今も月20〜30件あり、海外からの見学も50カ国に及ぶ。
 「臭わないでしょ」事務所に設置されたバイオトイレの便器部分は水洗トイレと変わらないが、扉は普段開けたまま。橘井社長は「論より証拠」と便槽内のおがくずを示して胸を張る。
 橘井社長は「売りに行くのではなく、買いに来てくれる商売がしたい」と環境分野に着目。1995年に生産を始めた。特別な菌を添加せず、悪臭が発生しないようおがくずを適正な条件に保ち、効率よくかき混ぜる構造が特長。富士山や旭山動物園、南極・昭和基地、厳冬期の道内の屋外イベントなどでの稼動実績を通して性能は高く評価され、海外7カ国を含めてこれまでに約2500台が出荷された。「自然に負荷をかけない」と観光地での導入も提案する。
 下水処理区域内のトイレを水洗と定めた建築基準法が都市部や家庭への普及の壁となっていたが、実績を基に10年がかりで国に規制緩和を働きかけ、昨年3月、屋内を含めて設置が認められた。椅子として使える介護用もいち早く開発しており、普及が加速することに期待を寄せる。
 また、駆除したシカの死骸や水産加工で出る魚介の内臓などを分解処理する装置も開発。旭川発明協会会長でもある橘井社長は「困った時、『こういうものがあったらいいなあ』と考えるとアイデアが浮かぶ。今あるものを組み合わせ、全く新しいものを生み出す」と話す。
 生活排水を処理する木炭を活用した浄化槽も開発。バイオトイレと組み合わせ、下水道不用の住環境を提案し、ベトナムなど下水道整備が遅れている海外も視野に入れる。
 悩みは、各種団体から数々の賞を受賞し関心も高まっているが、受注増に直結しないこと。だが「先を行き過ぎているだけ」と橘井社長に焦りはない。「水洗トイレの恩恵を受けているのは世界では限られた地域だけ。日本発のバイオトイレで、水環境の改善や循環型社会の確立など地球規模での問題解決に貢献したい」と夢は大きい。

富士山入山料トイレ整備に

静岡県知事が意向

北海道新聞 2013年8月5日

 静岡県の川勝平太知事は4日、試験徴収を終えた富士山の入山料の使い道について「トイレや5合目以上の登山道、山小屋の整備に使うことになるだろう」と述べ、今後半年の間に集中的に協議する考えを示した。同日、静岡市で開かれた富士山の世界文化遺産登録を祝う「感謝の集い」の終了後、記者団に述べた。富士山ではトイレ不足による環境悪化が懸念されており、川勝知事は「自然を汚すことがあってはいけない」と強調した。

バイオトイレが微生物でエゾシカ分解

専用機種を新たに開発 自治体に提案へ

北海道経済 2013年7月号

 微生物の力でし尿を分解する正和電工のバイオトイレ。新たな用途として「エゾシカの死骸分解」が注目を集めている。2回にわたって行われた実験の結果は上々。同社では専用の機種を開発して、自治体などへの提案を行うことにしている。

 エゾシカの食害が止まらない。農作物を食べる、畑を踏み荒らす、樹木の皮を剥ぐなどの農林業被害に対して、北海道や市町村はさまざまな対策を講じているものの、決め手がないのが実情。2011年度の道内の農林業被害額は64億円に達した。
 エゾシカ対策のうち、関係者がとくに悩んでいるのは死骸の処理だ。本来なら食肉として有効に利用するのが理想だが、エゾシカ肉の料理が一般家庭や飲食店に普及していないため需要は低迷しており、新鮮でおいしい肉を流通させるしくみも確立されていない。森の中に穴を掘って埋めたり、専用の施設で焼却処分したりする自治体もあるが、それぞれ衛生面、コスト面の問題がある。
 微生物によるエゾシカ分解の可能性に注目したのが、酪農学園大学の小川巌教授(環境動物学)らのチーム。おがくずに含まれる微生物でし尿を分解する正和電工のバイオトイレのしくみはエゾシカ対策にも活用できるはずとみて、業務用のバイオトイレ「S300」を活用し、今年3月から2回にわたり実験を行った。
 最初の実験では重さ60キロの死骸1頭を投入。エゾシカは1週間でほぼ分解され、2週間で太い骨を残すだけになった。2回目では合計111キロのエゾシカ2頭を投入。この実験でも良好な結果を得た。
 通常の用途では2時間に1回、モーターでおがくずを撹拌して微生物による分解作用を助けるが、この実験では1時間に1回撹拌を行った。害獣の死骸処理では悪臭が問題になることが多いが、バイオトイレではエゾシカの分解中にもほとんど匂いを感じることがなかったという。
 実験結果に自信を得た正和電工では、13立方メートルの容量をもつエゾシカ分解装置を今年の秋までに新たに開発する方針。10トントラックで運搬可能な大きさとし、エゾシカ被害が多発している地域での活用を自治体などに働きかけていくことにしている。残った太い骨を砕く装置もあわせて開発する予定。
 道内ではエゾシカの害に注目が集まることが多いが、本州以南ではイノシシ、サルなどが畑や山林を荒らし、被害が深刻化。自治体が駆除に乗り出しても、死骸の処理方法がネックになることが多い。正和電工のエゾシカ分解装置のニーズは道外でも広がりそうだ。

1〜3週間でほぼ完全に分解処理

正和電工などがエゾシカ処理の実証実験

メディアあさひかわ 6月号

増え続けるエゾシカ被害対策における課題の一つになっている「最終処理」問題に一つの見通しが立ってきた。バイオトイレの技術を持つ正和電工と酪農学園大学環境動物学研究室(小川巌教授)による実証実験の結果、同社の有機廃棄物処理機を使うと、頭骨などのごく一部を除き、エゾシカの死骸を1〜3週間程度でほぼ完全に処理できることが確認され、小川教授は「循環型処理確立の方向が見えてきた」と意を強くしている。

看過ごされた「出口の部分」に注目
道内のエゾシカ生息数は、2011年末現在で推定64万頭とされ、同年度のエゾシカによる農林業被害額は約64億円にも上っている。事態を重く見た道は同年、環境生活部にエゾシカ対策室を新設し、「今後の5年間を実効性ある個体数管理を実現する期間」と位置づけて、年間10数万頭規模の捕獲に乗り出しているが、実は問題は“そのあと”にある。同室は「エゾシカ保護管理計画」の一つとして、有効活用策の充実強化をあげ、エゾシカ肉の料理などへの利活用を進めているが、その場合に残る約7割の内臓などについては、その大半がわざわざ燃料費をかけて焼却しているのが現状。食用として利用できないと判断された場合には、ハンターが山林の中にそのまま放置したり、穴を掘って埋めるといったことも行われているというが、そうしたケースではヒグマを呼び寄せ、最悪、人的被害にもつながる恐れがあることから、エゾシカ管理の「出口の部分」をどうするかが、自然環境の観点から見て、大きなテーマになっている。「橘井社長とは10年来の付き合いがあり、橘井社長のところの有機廃棄物処理機で魚やニワトリを処理したという話は聞いていた。エゾシカの場合、それに比べて身体がかなり大きくなるが、果たしてどんなことになるのか、取り敢えずやってみようということになった」と小川教授。

「予想を大きく上回る成果」
旭川市内の正和電工の敷地内に設置した有機廃棄物処理機で最初の実証実験に着手したのは今年3月23日。この装置は、おがくずに含まれる微生物によってし尿を処理するバイオトイレの仕組みを応用したもので、この日、約60キロのエゾシカ1頭の死骸を投入して同処理機を稼働したところ、1週間後の3月末にほぼ完全に分解していることを確認。引き続き、第2弾として2頭(59キロと52キロ)の死骸を同処理機に投入したところ、3週間後の4月24日、約3立方メートルのおがくずの中に頭や脚などの大きな骨(約11キロ)だけが交じる状態になっていた。「大きな骨が残るのは、骨の表面のカルシウム分に対して微生物が働かないためで、これは想定内のこと。これほどきれいに分解してしまうとは考えてもいなかった。あらためて自然界にある微生物のすごい力を目の当たりにした感じで、予想を大きく上回る成果だった」と小川教授。橘井社長も「たった一つだけ、握りこぶし大の毛の塊のようなものが残ったがこれは恐らく部分的に水分が足りなかったために生じたものと思われる。それを除くと、装置としての機能は十分に発揮できたと考えている」と胸を張った。

動物に特化した新機種の開発へ
今回の一連の実証実験の成功によって、小川教授の環境動物学研究室が目指す「処理後のおがくずを森林に戻す循環型処理の確立」に大きく一歩踏み出したことは確かで、小川教授は「今後は、処理後のおがくずや残った骨、毛の塊のようなものを持ち帰って分析、データ化し、本格的な実験に備えたい」という。一方の正和電工は、今回の有機廃棄物処理機をベースに動物処理に特化した新たな処理機の開発を急ぐ予定で、「内部をかき混ぜるスクリューをより強化したり、どこにでも持って行けるようにトラックに搭載できる型式も考えていきたい。できれば、今年秋までには完成させるつもりだ」と橘井社長。さらに今回の課題の一つとして残った骨については、「細かく粉砕することによって、分解が進む」ことが分かっているため、別途骨専用の破砕機も開発の予定で、「実はラーメン店向けの豚骨を扱う食肉業者からの引き合いもあり、関係業者と協力しながら、より性能の高い処理機にしていきたい」と力を込めた。この処理機が完成すれば、「エゾシカの捕獲」にのみ目を奪われ、二の次になっていた「出口の部分」にもやっと解決の道筋がつくことになり、「この装置はあるいは、鳥インフルエンザに罹った鳥の処理にも有効かもしれない」(小川教授)などと、さらに用途が広がる開発になっていく可能性も十分だ。

動物の死骸を自然分解

日本経済新聞 列島ダイジェスト 2013年5月13日

正和電工は10月をめどに、エゾシカなど農作物に被害をもたらす動物を駆除した際の死骸を自然分解する有機処理機を開発する。

おがくずを使って発生させたバクテリアでし尿を処理する自社製品「バイオトイレ」の仕組みを応用。酪農学園大学との共同実験で、1〜2週間でシカ3頭をほぼ分解できる効果を確認した。処理機には残った骨などを粉砕する機能も付ける。年間360頭の処理能力を目指す。猿、イノシシなど食害が問題になっている動物全般に対応できるようにする。

シカ頭数西高東低 道調査石狩・空知で増加傾向

北海道新聞 2013年5月12日

ゾシカの推定生息数が北海道東部で減少し、石狩や空知などの西部で増加する傾向が顕著になっていることが、道の調査で分かった。専門家は「エゾシカが東から西に移動し、西部の頭数を押し上げている可能性がある」とみている。
道内生息数の推定は2009年度に東部(オホーツク、十勝、釧路、根室)、西部(石狩、空知、上川、留萌、宗谷、日高、胆振)とも32万頭だったが、10年度に逆転し東部29万頭、西部36万頭となり、11年度も東部27万頭、西部37万頭となった。総頭数は64万〜65万頭で大きな変化はみられない。
道は、1992年から、夜間に照明を照らして頭数や性別を判断する「ライトセンサス」調査結果と、捕獲数から生息数を推定。昨年10月のライトセンサス調査でも、東部4管内すべてで前年より観測数が減少したが、西部の石狩、空知管内では増加していた。
中でも、石狩や江別の市街地に加え、近年は渡島、檜山、後志各管内で観測例が増えているのが特徴。特に、住宅地に近く、駆除や捕獲が積極的に行われてこなかった都市部や近郊で急増しているとみられる。
エゾシカの生態に詳しい北大北方圏フィールド科学センターの斉藤隆教授は、密集した環境で生息していたエゾシカが、暮らしやすさを求めて西部に移動している可能性があるとする。「全道一斉に駆除、捕獲を行わなければ、さらに西部のシカが増える可能性がある」としている。

骨破砕装置は現在開発中(2014年8月現在)
今後の正和電工にご期待ください。

エゾシカ死骸 分解確認

正和電工と酪農学園大 有機処理機で実験

北海道新聞 2013年4月25日

エゾシカの死骸を分解処理する実証実験に取り組む酪農学園大とバイオトイレ製造販売の正和電工は4月24日、バイオトイレの仕組みを応用した有機廃棄物処理機で死骸がほぼ分解されることを確認した。酪農学園大は本格的な実験に備えてデータ分析などを進め、正和電工は動物の処理に特化した新たな機械の開発を急ぐ。

実験はおがくずに含まれる微生物でし尿を分解するバイオトイレの仕組みを応用。3月23日から4月9日までに、計3頭の死骸(計171キロ)を2回に分けて処理機に投入したところ、24日には頭や脚などの大きな骨(11キロ)だけとなった。

処理機のおがくずを森林に散布する循環型処理機確立を目指す酪農学園大の小川巌教授(環境動物学)は「今後はおがくずや残った骨を分析するとともに課題を整理し、本格的な実験に備えたい」と話す。 一方、正和電工は10月をめどに新たな分解処理機の開発を進める。投入口を拡大し、内部をかき混ぜるスクリューを強化。加えて骨専用の粉砕機も別に開発する。橘井社長は「粉砕機については、ラーメン店向けの豚骨を扱う食肉業者からも引き合いがある。協力業者と力を合わせ、より良い機械をつくりたい」と話している。

エゾシカ死骸1週間で分解

処理装置の実証実験、次段階へ

北海道新聞 2013年4月10日

酪農学園大とバイオトイレ製造販売の正和電工が取り組むエゾシカの死骸を分解処理する実証実験は9日、約1週間で1頭の死骸をほぼ分解したことを確認した上で、同時に複数の死骸を処理する新たな段階に入った。実験はおがくずに含まれる微生物でし尿を分解するバイオトイレの仕組みを応用。

3月23日に同社敷地内の有機廃棄物処理機に1頭の死骸(60キロ)を投入したところ、今月1日の時点であごや脚などの骨(約1キロ)だけとなった。

この日は酪農学園大の小川巌教授(環境動物学)や学生ら5人が同社を訪れ、残った骨を確認。小川教授は「思ったよりもうまくいった」と話した。引き続き、2頭(59キロと52キロ)の死骸を処理機に投入。

前回は1頭丸ごとだったが、今回は内臓とそれ以外に分け、分解速度の違いをみるという。

酪農学園大は分解後のおがくずを森林に戻す循環型処理の確立を目指し、正和電工はシカに特化した分解処理装置の開発を進めている。

バイオトイレの仕組み応用

エゾシカの死骸分解
旭川・正和電工など実証実験に着手

北海道新聞 2013年3月24日

バイオトイレ製造販売の正和電工と酪農学園大学は23日、おがくずに含まれる微生物でし尿を分解するバイオトイレの仕組みを応用し、エゾシカの死骸を分解処理する実証実験を始めた。
将来は分解後のおがくずを森林に戻すことで、循環型の処理方法の確立を目指す。
同社はバイオトイレを応用した有機廃棄物の処理機も製造販売。岩手県の養鶏場が廃鶏の処理用に導入した事例があるという。 旭川市内の同社敷地内にある処理機の中にシカの死骸1頭(約60キロ)を投入した。今後は死骸が骨と皮になるまでの進み具合や温度変化などを調べる。

橘井社長は「早ければ1週間でほぼ分解できるのではないか」とみる。同大の小川巌教授(環境動物学)は「シカが土地から得た栄養分をその土地に再び戻す仕組みをつくり上げたい」と話す。

死骸の処理では、宗谷管内枝幸町とホクレン農業総合研究所(札幌)が昨年から、牛のふん尿や木材チップを使い同様の実験を進めている。道によると、道内のシカ生息数は2011年度末で推定64万頭。
同年度の道内農林業被害額は64億円に上る。

中小の研究開発、応援します

道銀、3社に助成金

北海道新聞 2013年3月23日

財団法人北海道銀行中小企業人材育成基金(藤田恒郎理事長)は22日、バイオトイレ製造販売の正和電工など3社に新技術・新製品研究開発助成金として50〜100万円を交付した。

助成金の交付は、今回が初めて。開発費に制約がある道内中小企業の発明や、新商品の製造を後押ししようと、創設した。 生活排水を木炭で浄化する装置を製品化した正和電工をふくむ3社が選ばれた。

バイオトイレ ベトナム国鉄へ

旭川の製造元視察 列車や駅15年にも導入

朝日新聞 2013年3月14日

おがくずを使ったバイオトイレを製造・販売する正和電工に3月13日、ベトナム国鉄の幹部ら同国の関係者9人が視察に訪れた。列車や駅舎への導入を図る目的で、早ければ2015年に採用される公算が高いという。
同社のバイオトイレはおがくずを入れた処理層内で微生物がし尿を分解するため、下水が不要で臭いもほとんどない。1995年に発売を始め、富士山をはじめとした山岳トイレや旭山動物園の屋内外などに2300台を売ってきた。11年度の環境省の「アジア水環境改善モデル事業」の対象に選ばれ、ベトナムでの事業進出に向けて現地調査などが東京のコンサルタント会社「長大」の協力で進められてきた。

ベトナムは上下水道の整備が進まず、列車の走行時にトイレから汚物が線路上に流れるため、衛生上問題視されてきたという。長大によると、同国政府から、15年以降の新車両や駅舎、観光施設などに正和電工のバイオトイレを導入するよう指示が出されている。車両への導入実績はなく、「納入規模は今後の試験結果次第だが、新設の8割をめざす」という。この日の視察では、参加者から処理容量などについて質問がでた。実物を見たベトナム国鉄のゴー・カオ・ヴァン副総裁は「処理後のおがくずがさわれるほどきれいで驚いた。使える可能性が高まればいい」と語った。正和電工の橘井社長は「自分たちの技術が外国で役立つなら大変うれしい」と話していた。

ベトナム国鉄 旭川の製造会社を視察
バイオトイレ「可能性ある」

北海道新聞 2013年3月14日

ベトナム国鉄のゴー・カオ・バン副総裁ら現地の鉄道関係者9人が4月13日、旭川のバイオトイレ製造販売・正和電工を視察した。同社とともにベトナムでのバイオトイレ普及を目指す建設コンサルタント「長大」(東京)が招いた。正和電工のバイオトイレは水を使わず、おがくずでし尿を分解するため、汚水による環境汚染の心配がない。正和電工と長大のベトナムでの取り組みは、2011年度の環境省アジア水環境改善モデル事業に選ばれている。

長大によると、ベトナムでは列車のトイレは走行時に排せつ物を線路上に垂れ流すため、環境汚染が問題となっている。このため、ベトナム国鉄は早ければ15年にも、垂れ流しではないトイレを新造車両の80%に導入する方針だという。一行は仕組みについての説明を受けた後、社内で使用している実物のバイオトイレを見学した。ベトナム国鉄は駅での導入も視野に入れているといい、バン副総裁は「単純な仕組みのようだが、きちんとし尿が分解されていてびっくりした。広い分野で(導入の)可能性がある」と話していた。―

雑排水と、し尿の分離処理に道、環境省が注目
正和電工の新浄化槽で下水道不要の住環境

北海道経済 2013年.2月号

正和電工(株)の「新浄化槽」が、北海道から2012年度新商品トライアル制度の認定を受けた。
従来の合併槽に代わる排水浄化装置としての普及に弾みがつきそうだ。

正和電工の新浄化槽は、し尿以外の雑排水を●物理的沈殿による固体と液体の分離●木炭による吸着などの物理化学的作用●木炭に付着する生物膜が有機物を分解する生物的浄化作用、の3段階で浄化する装置。

現在、下水道が整備されていない地域では、し尿と台所、洗濯機、風呂からの雑排水を合わせて合併浄化槽で処理することが求められている。合併浄化槽は定期的なメンテナンスが必要だが、そのたびにコストが発生することから「放置」されているものがほとんど。設計通りの浄化性能を発揮することができず、河川や湖の水質が悪化する一因となっている。
そこで正和電工では、し尿と雑排水を分離して、前者を同社の主力商品であるバイオトイレで、後者を新浄化槽で処理する新しいシステムを提案している。この方法だと、処理済みの水のBODは20ミリグラム以下、T-N・T-Pは10ミリグラム以下と、雨水とほぼ同じレベルまでクリーンになる。
合併浄化槽にたまるごみの大半はし尿に由来するもの。新浄化槽にはし尿が流れ込まないことから、メンテナンスが容易で、大腸菌対策も必要ない。
正和電工の提案するこの方法なら、巨額の費用がかかる下水道、下水処理施設も不要。
社会的な意義も大きい。

この新浄化槽が昨年12月、北海道から「新商品トライアル制度」の新商品に選ばれた。これは、道内の中小企業などが生産し、道の事務事業の効果的・効率的執行や住民福祉の向上などに役立つ新商品を知事が認定、これらの商品を道が活用することで販路開拓を支援するもの。「新浄化槽」はほかの12商品とともに「特定随意契約に係る登録名簿」に3年間掲載され、道庁での活用促進が図られる。
新浄化槽はほかにも、環境省の2012年度環境技術実証事業「有機性排水処理技術分野における実証対象技術」にも選定された。現在、社団法人埼玉県環境検査研究協会による実証試験が行われている。科学的なデータが集まれば、本格的な普及に弾みがつきそうだ。

人口増加や所得水準の向上の結果、し尿処理はアジア諸国でも深刻な問題になっている。水を使わずし尿を処理できるバイオトイレはアジア諸国への有望な輸出品としても注目されており、正和電工には最近、テレビ局(BSジャパン)も取材に訪れて、1月5日の「アジアの風〜小さな挑戦者たち」で紹介した。
新浄化槽との組み合わせで、バイオトイレの活躍する場はさらに広がると期待されている。